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2026.06.12宿のこと

テレビを下げた年に、いちばん言われたこと

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テレビを下げた年に、いちばん言われたこと

2009年、三代目を継いだ年に、六室すべてからテレビを下げました。当時いちばん多かったのは「お客さんが退屈する」という心配の声です。身内からも、出入りの業者さんからも言われました。

実際に起きたこと

最初のひと月は、たしかに戸惑う方もいらっしゃいました。ただ、ふた月目から不思議なことが起きました。縁側の座布団が、足りなくなったのです。

部屋にテレビがないと、人は部屋にこもりません。縁側に出て、庭を見て、お茶を飲んで、また湯に入る。夜は思ったより早く眠くなります。翌朝「こんなに寝たのは久しぶり」と言われる回数が、目に見えて増えました。

不便と静けさは、紙一重

いまでも「不便ではないですか」と聞かれます。正直に言えば、不便です。ただ、その不便のぶんだけ、山の夜は静かです。雨の日は雨の音が、いちばんのもてなしになります。

退屈が心配な方は、客室の本棚に女将の私物の本が十冊ほど入っています。読みかけのまま帰る方のために、しおりは多めにしてあります。

よくある質問 にも、テレビと電波のことを書いています。

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